暑い日なのに起こる、車のエンジン始動トラブル。
「あれれっ!?セルモーターが回らない…」
焦る気持ちと暑さで、さらにイライラが増してしまいますよね。
実はそれ、車の夏バテかもしれません!
バッテリー上がりやパーツの劣化など、夏の暑さは車にとって過酷な環境。
もしかしたら、あなたの愛車も危険信号を発しているのかも…!?
この記事では、セルモーターが回らない主な原因として2つ、それらの対処法も分かりやすく解説します。
愛車のSOSを見逃さず、安全・快適なドライブを楽しみましょう!
セルモーターが回らない主な原因
スターターモーターの故障

スターターモーターが劣化や故障している場合、正常にエンジンを回せません。
内部のブラシや、コミュテータの摩耗が、原因であることが多いです。
ソレノイドの故障
ソレノイドが作動しないと、スターターモーターに電流が届かず、セルモーターが回らないことがあります。
夏場の高温が、ソレノイドの劣化を促進することがあります。
イグニッションスイッチの接触不良
スイッチ内部の接触不良が原因で、スターターモーターに電流が流れないことがあります。
イグニッションスイッチの問題
キーの電池切れ

スマートキーの電池が切れてしまうと、メーター内の鍵マークが点滅し、スターターボタンを押しても、セルモーターが回転しなくなってしまいます。
対処方法
多くの車種では、スターターボタンを、指ではなくスマートキーで押すとエンジンがかかります。
この手順については、車種によって異なりますので、説明書をご覧ください。
キーシリンダーの摩耗

キーを差しても回転しない場合、摩耗や内部部品の故障により、イグニッションスイッチが正常に作動しないことがあります。
また、ステアリングロックかかっているときは、キーが回りません。
対処方法
ブレーキを踏み、ステアリングを左右に振ってみましょう。
キーシリンダーやキーの摩耗により回転しないときは、キーのギザギザの山を鉛筆の芯でこすってみましょう。
一般的に、キーシリンダー内にオイルを吹き付けるやり方もありますが、あとあと埃や塵がオイルに付着してしまって、返って渋くなってしまうのでおすすめしません。
電気配線の問題
アース不良
アースポイント(接地)が緩んでいたり、腐食している場合、電流が正常に流れず、スターターモーターが機能しないことがあります。
特に夏場の湿度や高温が腐食を加速させることがあります。
フューズやリレーの問題
スターターモーターやイグニッションシステムのフューズが飛んでいる場合や、リレーが故障している場合、セルモーターが回りません。
これらの原因は、夏場の車のトラブルの主なものです。
機械的な問題は、ご自身で解決しようとせず、お近くの整備工場に相談することをおすすめします。
バッテリーの問題
サルフェーション(腐食)
バッテリーターミナルが腐食すると、電流が正常に流れなくなります。
夏場の湿気や高温は、腐食を進行させる要因となります。
電圧の低下
夏は、エアコンの使用などで、バッテリー消費が激しく、寿命が縮まりがちです。
その上高温は、バッテリー内部の化学反応を加速させ、劣化を早めてしまいます。
バッテリーの寿命は一般的に2〜5年と言われています。
夏の高温により、古いバッテリーが急速に劣化することがあります。
確認ポイント
- ヘッドライトの明るさが、以前より暗くなる。
- エンジン始動時のセルモーターの音が、弱々しくなる。
- クラクションの音が小さい。
- バッテリー液の減少や、バッテリー本体の膨張が見られる。
対処方法
ジャンプスタート

他の車のバッテリーを使って、あなたの車のバッテリーを充電する方法ですが、ブースターケーブルがあることが条件になります。
比較的簡単な方法ですが、手順を間違えると危険を伴うため注意が必要です。
手順
1. 救援車のバッテリーと、あなたの車のバッテリーをブースターケーブルで接続します。
(赤色のケーブルを両方のバッテリーのプラス端子へ、黒色のケーブルを救援車のマイナス端子、あなたの車のエンジンの金属部分に接続します)
2. 救援車のエンジンをかけ、最低5分間はアイドリングします。
3. あなたの車のエンジンをかけます。
4. エンジンがかかったら、ブースターケーブルを逆の手順で外します。
エンジンがかかったら、そのまま業者に直行して早めに新品バッテリーに交換しましょう。
コンビニなどに寄ってしまうと、ついクセでエンジンを切ってしまいます。
再度、 ジャンプスタートになってしまうかもしれません。
注意点
* 感電やショートに注意し、手順を間違えないようにしましょう。
* 救援車は、なるべく大きな車を選ぶ。
ジャンプスタートは、救援車のバッテリーを使って、バッテリー上がりを起こした車のエンジンを始動させる方法です。
この時、救援車のバッテリーサイズが小さいと、十分な電流を供給できず、エンジンがなかなか始動しないことがあります。
車のバッテリーサイズは、エンジンをかけるために必要なパワーによって異なってきます。
一般的に、排気量の大きい車ほど、大きなバッテリーが搭載されています。
軽自動車やコンパクトカーはバッテリーが小さく、反対に、ミニバンやSUVなどは大きなバッテリーを搭載しています。
ジャンプスタートをスムーズに行うために救援車を呼ぶなら、なるべく排気量の大きい車にお願いするようにしましょう。
バッテリーをチャージャーで復活させる

ジャンプスタートでエンジンは始動したものの、そのままの状態では、いつまたバッテリー上がりを起こすとも限りません。
新品に交換するか、バッテリーチャージャーで充電しておくようにしましょう。
一口にバッテリーチャージャーと言っても、様々な種類があることをご存知ですか?
あなたのバッテリーに最適なチャージャーを選ぶために、主な種類とその特徴をご紹介します。
1. 密閉型バッテリー対応チャージャー
最近の車に多い、メンテナンスフリーの密閉型バッテリーに適したチャージャーです。
2.開放型バッテリー対応チャージャー
バッテリー液の補充が必要な、従来型の開放型バッテリーに適したチャージャーです。
3.満充電時対応チャージャー
バッテリーとチャージャーをケーブルで繋ぎっぱなしで充電していると、バッテリーの寿命を縮めてしまう場合があります。
満充電になったら、自動停止するような機能があるものがよいでしょう。
4. バックアップ電源不要対応チャージャー
バッテリーを充電する際は、車へのリスクを避けるためにも、バッテリー端子を外して充電したほうが無難です。
しかし今の車は、バッテリーとの接続を遮断してしまうと、さまざまな設定がリセットされたり、何かと不都合が生じてしまいます。
バックアップバッテリーを、用意しなくても済むような機構があるものにしましょう。
5. アイドリングストップ車対応チャージャー
現在は、アイドリングストップ車が広く普及しており、対応していないと、使える範囲が限られてしまいます。
また、今後アイドリングストップ車に買い換えることになっても、チャージャーは買い換えることなくそのまま使えます。
バッテリーチャージャーのまとめ
おすすめは、上記1〜5に対応しているチャージャーです。
現在は、昔とは違って、さまざまなタイプのバッテリーが使用されています。
多くの車種で使える、汎用性のあるチャージャーを使うことをおすすめします。
対処方法
ロードサービスの利用
下記のような状況であれば、無理せずロードサービスを利用しましょう。
ご自身では対処が難しい
救援車を期待できない
ブースターケーブルを搭載していない
JAFや自動車保険のロードサービスに加入していれば、セルモーターが回らずエンジンが始動できないトラブルにも対応してもらえます。
まとめ
夏の過酷な暑さは、自動車にもさまざまなストレスを与えています。
ある日突然、あれっ!?スターターが回らない!なんてことにも・・・
主にバッテリーに起因する場合が多いですが、機械的な不具合につながっていることも。
機械的な不具合の場合は業者に修理をお願いし、バッテリーの問題の場合は、ジャンプスタートで対処しましょう。
夏はバッテリーに掛かる負担が大きく、トラブルに見舞われないためにも、事前にチャージャーで充電しておくことをおすすめします。