車のメンテナンスは、安全運転や長寿命化に欠かせない重要な作業です。
ここでは、6つの基本的なメンテナンス作業と、怠ったときのリスクについて解説します。
目 次
エンジンオイル交換
エンジンオイルは、車の心臓部であるエンジンを、スムーズに回転させるために必要な重要な部品です。
定期的な交換が必要であり、走行距離や使用状況によって異なりますが、約5,000kmから10,000kmごとに交換することが推奨されています。
費用はオイルの種類や車種によって異なりますが、おおよそ1回の交換で数千円から1万円程度が目安です。
エンジンオイル交換を怠ると、以下のようなリスクが生じる可能性があります。
エンジンの摩耗と寿命短縮
エンジンオイルはエンジン内部の摩擦を抑える役割を果たしています。
交換を怠ると、オイル中の添加剤や潤滑効果が低下し、エンジンの各部品同士の摩擦が増加します。
これによりエンジンの摩耗が進み、寿命が短くなる可能性があります。
エンジンパフォーマンスの低下
古くなったエンジンオイルは、汚れや金属片などを含むことがあります。
これがエンジン内部に残留すると、エンジンの動作がスムーズでなくなり、パフォーマンスの低下を招きます。
加速や燃費の悪化、エンジンの不調などが起こる可能性があります。
オーバーヒートやエンジン故障のリスク
エンジンオイルは冷却効果も持っており、エンジン内の温度を一定に保つ役割を果たしています。
古くなったオイルは冷却効果が低下し、エンジンの過熱や異常な負荷がかかることがあります。
これにより、エンジンの故障や部品の破損のリスクが高まります。
燃費の悪化
古くなったエンジンオイルは粘度が低下し、潤滑効果が悪化します。
これによりエンジン内の摩擦が増加し、燃費が悪化する可能性があります。
また、オイル中の汚れや添加剤の劣化も、燃費に影響を与えることがあります。
エアフィルター交換
エアフィルターは、エンジンに取り込まれる空気を、清浄化する役割を担っています。
定期的な交換が必要であり、約1万kmから2万kmごとに、交換することが推奨されています。
費用は車種によって異なりますが、おおよそ1,000円から5,000円程度が目安です。
エアフィルター交換を怠ると、以下のようなリスクが生じる可能性があります。
エンジンのパフォーマンス低下
古くなったエアフィルターは空気の流れを阻害し、エンジンに必要な十分な空気量を取り込めなくなります。
これにより、燃焼効率が低下し、エンジンのパフォーマンスが低下する可能性があります。
加速性能や燃費が悪化し、エンジンの出力が落ちることがあります。
エンジンへの異物混入
古くなったエアフィルターは効果が低下し、埃や異物を十分に遮断できなくなります。
これにより、エアフィルターを通過した異物が、エンジン内部に入り込む可能性があります。
異物混入によりエンジン内部の部品が損傷し、エンジンの故障やトラブルのリスクが高まります。
燃費の悪化
エアフィルターの効果が低下すると、エンジンに取り込まれる空気の量が不足し、燃焼効率が低下します。
これにより、燃費が悪化し、給油回数や燃料費が増加する可能性があります。
タイヤの交換とバランス調整

タイヤは安全運転に欠かせない部品であり、溝の減少や劣化が見られた場合は交換が必要です。
一般的には、タイヤの摩耗具合や走行距離によって交換時期が異なりますが、約3年から5年ごとに交換することが推奨されています。
また、タイヤのバランス調整も定期的に行うことで、タイヤの均等な摩耗や車体の安定性を保つことができます。
タイヤの交換費用は、タイヤの種類やサイズによって異なりますが、おおよそ1本あたり1万円から3万円程度が目安です。
バランス調整の費用は、タイヤショップによって異なりますが、1,000円から3,000円程度が目安です。
タイヤの交換とバランス調整を怠ると、以下のようなリスクが生じる可能性があります。
安全性の低下
摩耗したタイヤや、バランスの取れていないタイヤは、グリップ力が低下し、ブレーキングやコーナリング時の安定性が損なわれます。
特に悪天候時や急ブレーキ時には、タイヤの状態が重要となり、事故のリスクが高まります。
燃費の悪化
不均衡なタイヤや摩耗したタイヤは、車の走行抵抗が増加し、燃費が悪化します。
これにより、燃料効率が低下し、燃費が悪くなるため、燃料費が増加する可能性があります。
乗り心地の悪化
バランスの取れていないタイヤは、振動が発生しやすく、乗り心地が悪化します。
特に高速道路や長距離走行時には、振動が運転者や乗員に影響を与え、疲労感や不快感を引き起こすことがあります。
ブレーキパッド交換

ブレーキパッドは、車を停止させるための重要な部品であり、劣化や摩耗が見られた場合は交換が必要です。
一般的には、ブレーキパッドの厚みや使用状況によって異なりますが、約2万kmから5万kmごとに交換することが推奨されています。
費用は車種やブレーキパッドの種類によって異なりますが、おおよそ1台分で2万円から5万円程度が目安です。
ブレーキパッドの交換を怠ると、以下のようなリスクが生じる可能性があります。
ブレーキ性能の低下
摩耗したブレーキパッドは効きが悪くなり、ブレーキング性能が低下します。
これにより、ブレーキング距離が延び、安全運転に支障をきたす可能性があります。
特に緊急時のブレーキングや急停止時には、事故を回避するための適切な対応が困難になり、危険な状況に陥る可能性があります。
ブレーキシステムへの影響
ブレーキパッドの摩耗が進むと、ブレーキローターやブレーキキャリパー、ブレーキホースなどの部品にも影響が及びます。
これにより、部品の劣化や故障が早まる可能性があります。
クーラント液の交換
クーラント液はエンジンを冷却するための重要な液体であり、定期的な交換が必要です。
一般的には、約2年から3年ごとに交換することが推奨されています。
費用はクーラント液の種類や車種によって異なりますが、おおよそ1回の交換で1万円から3万円程度が目安です。
クーラント液の交換を怠ると、以下のようなリスクが生じる可能性があります。
エンジンの過熱
古くなったクーラント液は冷却効果が低下し、エンジンの冷却性能が低下します。
特に高温の状況下や長時間の運転時には、エンジンの過熱が発生しやすくなります。
過熱したエンジンは、シリンダーヘッドやシリンダーブロックなどの部品にダメージを与え、エンジンの故障や損傷のリスクが高まります。
ラジエーターの損傷
クーラント液の劣化や添加剤の不足により、ラジエーター内部や冷却系統の部品に錆やスケールが蓄積しやすくなります。
これにより、ラジエーターの冷却フィンや、内部チューブの損傷が起こりやすくなります。
損傷したラジエーターは冷却効果が低下し、エンジンの過熱リスクが高まります。
バッテリー交換
バッテリーは、エンジンを始動させるための電源を供給する重要な部品であり、定期的な点検と交換が必要です。
一般的にはバッテリーの寿命は約3年から5年程度とされており、劣化や充電不良が見られた場合は、交換が必要です。
費用は、バッテリーの種類や車種によって異なりますが、一般的に1万円から2万円程度が目安です。
バッテリー交換を怠ると、以下のようなリスクが生じる可能性があります。
エンジン始動の困難
古くなったバッテリーは容量が低下し、エンジン始動時に必要な電力を十分に供給できなくなります。
特に寒冷地や冬季など、エンジン始動に多くの電力が必要な場面で、エンジンがかからない、始動が遅れるといったトラブルが発生する可能性があります。
電装品の作動不良
バッテリーの電力供給が不安定になると、車内の電装品やエンジン制御システムなどの作動に支障が生じます。
エアコンやライト、ウィンドウレギュレーターなどの動作が不安定になったり、エンジンのパフォーマンスが低下する可能性があります。
バッテリーの寿命短縮
適切な充電やメンテナンスを怠ると、バッテリーの寿命が短くなります。
バッテリーの交換時期を逃すと、最悪の場合にはバッテリーが完全に死んでしまい、車両の動力源として機能しなくなる可能性があります。
これらは基本的なメンテナンス作業と費用の目安ですが、実際の作業内容や費用は車種や地域によって異なります。
定期的な点検と適切なメンテナンスを行うことで、車の安全性や燃費向上、長寿命化につながります。
また、メンテナンス作業を専門店やディーラーに依頼する場合は、信頼性の高い業者を選ぶことも重要です。